まぼろしの一杯とのであい

コピ・ルアック
美味しいコーヒーを入れるときのおまじない。
わたしは始め、そう信じていた。
数年前、その名前のコーヒーを、旅行のお土産だと家族がもらってくるまでは。

「珍しいコーヒーらしいよ」という息子の話に、ネット検索して驚いた。
数日後、通い始めたばかりのコーヒー店で、偶然にもその話題を耳にする。
「昨日、ご予約いただいていたお客様にお出ししたんですよ」と。
お土産の話をすると、本物、偽物、混ぜもの・・・種々あると聞いた。
「次は、いつ手に入るか分かりません」
そう聞いて、残念がる私に
「ちょっと、香りだけ確認してみます?」
マスターは、残り僅かとなった数粒のコーヒー豆が入った瓶を私にみせると、瓶の口を近づけ、そっと開いた。
「え?」
驚いた。フルーツのような甘い香り。
息子が持ち帰ったコーヒーとは明らかに違うものだった。
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2015年8月27日。
私は、あの日以来、いつか飲んでみたいと夢見ていた「コピ・ルアック」に再び出会った。
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鑑定書つきの正真正銘「コピ・ルアック」

あの時と同じ店。
マスターが丁寧に、私のための一杯に向き合う時間が何より嬉しい。
夕方の閉店前のお一人さまは、贅沢な時間を、まぼろしの味とともに過ごした。
数年前の香りとは違っていたものの、口の中に広がる甘みと独特の味わいは、今もなお舌の奥に残っている。

境港市、米子鬼太郎空港近くのコーヒー店。
「ありがとう」
今日は、記憶に残る味に出会えた。


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by coco-an | 2015-08-27 19:10 | 庵主ひとりごと | Trackback | Comments(0)

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