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優しい赤鬼

CWニコルさんの追悼番組↓ を観ていて思い出した
10年?いや20年も前のことだったかも知れない
私たちが子どもたちに残せるものは何かを劇場の仲間と語り合った日々があったこと

未来に残すべきもの、それは自然しかないって
市内の荒れ地(荒廃放棄地)を子どもの森にしたらどうかなって

あれは何のための話し合いだったか、おそらく役所の意見募集(総合計画?)か街づくりのシンポジウムで意見を出すためだったような、記憶は曖昧…。

ニコルさんは日本にかつて当たり前にあった「原始の森」を開発という名の下、次々に破壊されるのを見捨てておけず、「森の再生」に命をかけた。
人には「森」が必要。
ニコルさん自身が幼いころ森や木に生きる力を与えられた経験から、絶対的な自信を持って森を作り、その中で自分のもその一部となって暮らし続けることを生涯を通して実践した。

番組では、東日本大震災で何もかも失った人々にニコルさんが寄り添い、町の再生に「森との共存」を提案し、実現したことに触れていた。
「コンクリートの頑丈な建物で子どもたちを守る」という町の小学校建設計画に真っ正面から異を唱え、命がけで抗議するニコルさんの姿があった。
「絶対反対!」「森との共存こそが子どもたちに必要なこと、それが叶うのなら自分の残された時間、その半分をこの町に捧げます。」と一歩も譲らぬ姿勢で、まさに「赤鬼」の形相で、行政職員に向かうニコルさんの姿。

そして、実際に、森とひと続きの木造校舎(森の学校)が完成した。
自然の中に溶け込むように存在する学び舎はため息ができほど素敵だった。

ニコルさんが人生をかけて成し遂げたことを目の当たりにし、私が忘れ去って過ごした時間を恥ずかしく思った。
「言うは易く行うは難し」

優しい顔を時に赤鬼の如き形相にして、己の信じる道を決して譲らなかったニコルさん。
着々と森を広げ、子どもたち、人々に生きる力を与えつづけたその生き様を遅ればせながら学ばせてもらいたいと思う。












by coco-an | 2020-08-11 13:09 | 庵主ひとりごと | Trackback | Comments(0)

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